Tagebuch 【 BACK NUMBER AUGUST 2001 】


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 31 AUG 2001 FRI  Afterimage of Summer Days

東京の学校は今日で夏休みは終わり。明日が土曜日なのだから半日行く位なら9月3日始まりにしても良さそうなものだが。

アメリカの大統領は26日間もの夏休み (1ヶ月は長すぎるとの批判を浴びて3日!短縮) を取っていたが自分では 「ワーキング休暇」 と言っていたな。
フランスでは別荘で大統領の全裸写真がパパラッチに盗撮されたが 大手メディアの買い手が付かなかったとか。 (フランスで女性に聞きました 「最もセクシーな政治家は?」 で栄えある一位であった彼ではあるが。)
去年、軍用機だか政府専用機だかを使って家族旅行でイタリア入りしたことを批判された英国首相は 格安航空会社でフランスに行こうと計画したが 相手に宣伝に利用されたので取りやめにし、結局国内旅行にしたものの 提示された特別レートのホテル代を更に値切ってちくられた。
わが国の首相はと言えば 一目その姿を見ようと集まった善男善女の為に次男とキャッチボールを披露してみたり 帰りがけに訳のわからん戯れ歌を読んでみたり。

毎日毎日 今日は蝉の声がするかどうか気になる。
今年は梅雨に雨が少なかったからなのか (?) 自宅周辺は蝉が鳴き出すのが遅かった。7月に一雨降ってからようやくいつもどおりの鳴き声がして、あぁまだ今年も大丈夫だった と安心した。どこもかしこもコンクリートとアスファルトで覆われてしまって、蝉の行き場が無くなってしまったのではないかと思うからだ。きっと 時が来て地上に出ようとしても出られずに死んでしまったものもいるんだろう。家の庭に産めば良いのに、などと蝉の産卵にまで世話を焼く。
虫の音を聞き取るのは左脳の機能によるものだと言う説があるが、今日 自身の耳に聞こえてきたのは一匹のミンミンゼミの声だけだった。旧盆を過ぎた頃からは 気がつけばすだく虫の音が夜を支配している。これもかつては自宅の庭で 「ガチャガチャ」 と呼んでいたクツワムシや 「スイッチョ」 の馬追を捕まえることも出来たが 今はこおろぎくらいしかいないようだ。

単に月が新しくなるという、毎月やって来るカレンダー上の変わり目に過ぎないのだが 8月の終わりは一番季節を思う。 これも 「夏休み」 が終わってしまう日だったからなんだろう。 北海道や東北の、短い夏休みの子供たちは8月31日は夏の終わりの日とは思っていないんじゃないだろうか などと考え出すのも秋のしるしかも知れない。

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 30 AUG 2001 THU  Unnavigable Navy

えひめ丸を沈没させたアメリカ海軍の原子力潜水艦グリーンビルが また衝突事故をしたという。今度は自損事故、サイパンに入港する際に浅瀬で何かに船体をぶつけて舵などを破損、グアム島で修理するらしい。

バカか、と思う。天候が悪かろうと海軍が何と言おうと 乗務員の能力が低いからこういう事を起こすのだ。重大な事故を引き起こしたばかりで、何の落ち度も無く 何故こんな事になってしまったのかも解らないままに沈められてしまったその船を 未だ引き上げることも出来ないうちにこの有様はなんだ。行方不明者の関係の方々のことを考えると 無性に腹が立つ。
まして この船は原子力潜水艦、何時また重大な過失を起こすか 修理を重ねた船体で放射能漏れなどが起きないかと思う。

事故の処分は軍の論理最優先、民間船を相手に 「悪意・故意がなかった」 ので 艦長は実質上のお咎めなしで 年金の権利を得てから名誉除隊。真実は追求せずに幕を引いたアメリカのやり方は 当事者であったら到底受け入れ難いものだ。
安全な航行が出来ないのなら 船を出すな。
アメリカ政府がそれくらいの強権を発動してもいい。世界の警察を自認するのなら。

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 29 AUG 2001 WED  Shut up

ゲートウェイの日本撤退には驚いた。 撤退そのものはありえる話だが、いきなりの発表即日撤退、社長以下全社員の即日解雇通告はすごい。一般社員は午前中に知らされたということだ。業務を片付けるのも8月一杯までというから 正味2日半しかない。直営店舗を閉め、オフィスの賃貸契約を解除、会社のデスク周辺を整理、取引先との今後の対応を話し合い、事務機器を運び出し、書類を完全に整理、ユーザーとの連絡に追われ・・・ こんなことがたった2日で出来てしまう訳がない。単なる事務所移転ですら 数ヶ月にわたるプロジェクトを組まなければ出来ないのだから。

確か 先週か先々週に新聞の全面広告を打っていたように記憶する。先着○○百名様にグレードアップ特典付き、とかの。まぁ 申し込みした人はキャンセルするだろうな。今はユーザーサポートの委託先も決まっていない状態だし、アメリカ本社とでは満足なサポートも出来ないだろうし。
既存ユーザーは大変だ。牛模様のシールが可愛かったが、会社自体は厳しかったんだなぁ。アメリカの会社ってあらためてやることが怖い。

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 28 AUG 2001 TUE  Bon Anniversaire , ma niece.

たった一人の姪の誕生日である。 「今日は何の日」 サイトで検索してみる。
ゲーテ・トルストイ・カール ベームの誕生日で 1945年アメリカ占領軍が日本に上陸した日。
秀吉が大坂城を築城しはじめた日、日テレが民放初放映した日。
74年ピアノ騒音殺人 83年中野浩一7連覇達成 96年チャールズ・ダイアナ正式離婚成立。

彼女が生まれた年についてのトピックスは 見つからなかった。誕生を知ったのは1週間後、パリの学生寮で手紙を受け取った。名前がまともで良かった、と返事を出した。節約に節約を重ねる生活だったので電話代がもったいなかったのである。11月の第一週に帰国して初対面。小さな子を身近にみることはなかったので こんなちいさいものが人間として生きていることだけで珍しかった。

中3の今年はある程度の進路を決めなくてはならない。勉強が嫌いなら 高校など行かなくても良いと言っては 母に 「親が嫌がる事を言うな」 とたしなめられる。ほんの小さな頃から 勉強することの意味は しつこいくらいに伝えてきた。面倒な数式を解くのは 頭の中に考える道筋を作っていく為だし、英語は外国人と話す為だけにやるのではなく 日本語だけでは知り得ない世界を知るための窓口を拓くことだと。すべての勉強は自分の引出しを豊かにする為にやるもんだと。
それにも関わらず 今更 「平方根なんてこの先一生使いっこないのに」 とぶつぶつ言っている。まったく 親の心子知らずとはこの事だと思う。親じゃないけど。

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 27 AUG 2001 MON  New Year's Card

まだ8月だというのに もう年賀状の発売についての発表があった。記事を読んで 今は葉書が50円なのだな、と確認する。手紙や葉書を出すことはめったになくなってしまった。以前は仕事上のお礼状などを出す時に使うよう、記念切手のきれいなのをずいぶんと買い揃えていたものだが いまやコレクションのように溜め込んであるだけである。

この10数年間日本をメインの生活土台にしていなかったせいで 郵便料金は分からない、東京の新しい地下鉄が覚えきれない、このごろの観光的な有名スポットなど行った事もないといった 世捨て人のような生活知識のレベルなのだ。年賀状の習慣もすっかり止めてしまったが、有難いことに昔の友人はこちらから全く出さないのに 毎年送ってきてくれる。昨年から本拠地を東京に戻してはいるのだが つい面倒で無沙汰を続けたままだ。そろそろ連絡を取り合わないと会えなくなってしまうかもしれない。年賀状の時期はまた留守にすることがわかっているから 今年こそアドレス帳を更新してクリスマスカードでも出しておかなければ。(と、夏の今は決心するのだが 果たして・・・)

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 26 AUG 2001 SUN  Domestic Air Tariff

このところ 新聞下段の広告でツアー旅行の募集がものすごく多い。大抵が超格安ツアーで 9月の函館・札幌を2泊3日で周遊するものなどが29,800円なんてのがあると 思わず原価計算をしてしまう。往復の航空運賃+1泊夕・朝食付きの温泉旅館と1泊朝食付きのホテルの宿泊費+観光バス+人件費に広告宣伝費・・・
いったいいくらで仕入れているのだろうか、サプライヤーは利益が出るのだろうかと心配にもなる。価格破壊と言ったって あまりにも安くしすぎて 結果倒れる業者が出るようでは全体から見て少しも良いことはないではないか。特に 航空会社以外は地元企業だから体力が心配だ。

羽田−函館の航空運賃は片道通常価格だと26,500円、札幌は28,000円するのだ。個人で購入可能な最安値の航空券、全日空でいうと月一度くらいの頻度でやっている 日本全国どこでも片道均一価格の 「超割」 で2ヶ月も前に予約したとしても10,000円だ。ツアーの値段と比べると 個人客用の価格設定は高すぎる。いくら旅行会社が席をまとめて仕入れしてくれるから 航空会社は安い値段を出す、と言っても許容限度を越えていると思う。だからと言って ツアー向け料金を上げろと言うのでは当然ない。個人の価格設定をもっと柔軟に設定して欲しいのだ。せっかく航空運賃の自由設定が可能になったのに、各社ほぼ横並びだし 特徴があるわけでもない。今 同一路線に就航している航空会社の中から一社を選ぶ理由は マイレージを貯めているかどうかくらいしかない。

ちょっと昔には 「朝食戦争」 で 各社争って早朝便には朝食を付けたりしていたが 今は茶菓もなくなった路線が多い。客室乗務員を期限付き採用の契約社員にしたり、学卒新規採用をしない年があったりと いろいろ努力をしているようだが、長く在籍している乗務員の無駄に高額な給料はきっとそのままなんだろうし、どうしても国際線の赤字分を国内線個人利用者に押し付けているように感じるのだ。値引き交渉なしの個人客、取れる所からからだけしっかり頂くというのでは あんまりではないか。札幌一往復半 (3時間45分) の値段で冬はヨーロッパ往復 (約24時間) 正規割引航空券が買えると考えると なんて偏った価格設定だろうと思う。それでも JRで札幌まで行くのも 時間と運賃がかかるから仕方なく飛行機に乗っているのだからね!

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 25 AUG 2001 SAT  No wisdom

また 教育の話題。
文部科学省は 公立小中学校の学力向上を目指して全国で1000校をモデル校に指定するそうだ。「学力向上フロンティアスクール」と名づけられ、来年4月から導入される新学習指導要領が目指す 「基礎・基本を徹底し、自ら学び、考える力」 の育成を目的とするものだという。
新学習指導要綱って 例の「 円周率 π = 3 」ってヤツか? 「ゆとり」 教育を目指す、とかいう。 そう謳いながらもできる子供には更に進んだ内容を教えて 理解が遅い子供には反復学習をする っていうのはまだ良いとしても 円周率3でほんとに良いのか? ざっと暗算するときに円周率を3、として計算しても 元々3.1415・・・ということを知らないのと知っているのとでは大違いだろう。
中学校で天気図書く実習がなくなるとか 周期表が消えるとか 断片的にしか知らないのだが そんなんで何時知識を得るのだ、と思う。自ら考える力など 生まれないように思うのだが。

モデル校っていうのも研究の為に予算がついて 言われた事を遂行する学校な訳なんだが あんまり成果は期待できないかな。姪の通っている学校は英語教育のモデル校に指定されているそうだが 外国人講師が週一回くらい会話の授業をするが 一緒にいる日本人の先生は全然会話に加わらないと言っていた。外国人を教える側に立たせれば それで英語教育のモデルになるとまさか考えているのだろうか、と疑いたくもなる。

ま、お役所のやることだから・・・と言ってもこと基礎教育に関してはこのままじゃ まずいんじゃないか。「ゆとり」 はそんなに必要か? 詰め込み教育はそんなに悪いのか? 一度詰め込まなければ 引出しを開けても中身は空なんじゃないだろうか。 2002年の新指導要綱に準拠した学習をしてきた子供たちが大学に社会に出て来たとき、今までの比じゃない新人類 (古〜) と遭遇することになるのだな。その頃も自分はきっと仕事をしているだろうから・・・

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 24 AUG 2001 FRI  High School Days

東京都の教育委員会は 都立高校の先生100人もを 有名予備校の夏季講習に参加させているんだそうだ。予備校の難関大学突破のノウハウを学ばせようという意図らしい。進学指導に活かす、つまり有名私立高校に大きく水を開けられている難関大学への進学率を高めて ひいては都立高校復権のきっかけにしたいという。

大学入試はテクニックの問題であって、それを教えるのが予備校なんである。生徒が授業に熱心なのは当たり前だ。習熟度別にクラスも分けるし、所によっては毎週・毎月の定期テストの成績順で座席だって入れ替わる。入試の過去問を統計で割り出して それに沿ったテキストを使う。テクニックを身につけると問題を解いていく楽しさや 時に征服感さえも覚える事があるが、しかし それは学問の喜びではない。予備校は学問をするところではないのだ。

有名大学・難関大学に進学させることが高校の存在意義なんだろうか。私立はいい。高校の目的は○○大学に何人進学させること、と公表することで生徒を集め 経営を成り立たせるのは経済活動としてまともなことだ。それに賛同した人だけが集まれば良いだけである。
公立高校はどうだろう。有名大学への進学率が経営を左右することは当然ない。その高校を受験すると決める際に 何大学に何人進学させた、という学校の資料を真剣に検討する場合も確かにあるにはあるだろうが、実際は中学での偏差値で決まるのではないか。偏差値がこれくらいだから この高校、という具合に。だからその高校に入った時点で ○○大学に絶対入ると決めている生徒は一部の 「高偏差値」 の都立高以外では少数派なのではないだろうか。目的が明確でないものに向かって 大学入試の為のテクニックだけを重視したプログラムを組んだって それはうまく行くとは思えないのだが・・・

自身は都立高校の出身である。それも 乗り物にひどく弱い子供だったこともあって 歩いて通える近所の高校を選んだ。専門学校なども含めてほぼ100% が進学を希望する高校ではあったが、東大へは数年にひとり二人といった程度で 進学指導は伝統的な校風も手伝ってか生徒の自主性を非常に尊重してくれた。部活動も盛ん、文化祭は完全生徒主導の開催。そんな具合だから 浪人生も沢山出すことになっていたが (自分もその一人) 高校時代は充実した、何にも代え難い日々だったと今でも思っている。進学だけを目的にした高校生活は そんな感慨をもたらしてくれるのだろうか。

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 23 AUG 2001 THU  BSE

ヒト乾燥硬膜によるクロイツフェルト・ヤコブ病の感染被害に対する訴訟問題などは時々報じられるが 欧州での狂牛病渦に関してはどうもなにかトピックスがないと 日本では大きく扱われることがなくなってきたようだ。実際は 問題は何一つ解決などしておらず、これからヒトへの被害がじわじわと出てくるに違いないと予測されるのも関わらず、だ。最近目にした唯一の話題は 「冬物女性用ブーツが値上がり」 するというもの。牛革の素である牛を相当数焼却処分にした為、原価が高騰しているのだそうだ。いや、それはそうだろうが もっと深刻な話も大きく扱っていいのではないか、と思う。

例えば エイズに関しては ある程度広く国民に知れている。ニュースやドラマの題材などになっているので 知識の深さ・予防意識の有無は別としても 認知度はかなりのものだろう。だが 狂牛病については ニュースで何かを報じる際にも 英国で牛が歩けなくなって 終いには死んでしまう古い映像が繰り返し使われているくらいだ。遠いヨーロッパ限定で発生しただけの家畜の病気、のような印象を与えかねないと思うのだ。
国も 血液感染を防止する意味で英国・アイルランド・スイス・スペイン・ドイツ・フランス・ポルトガルに1980年以降6ヶ月以上滞在した経験のある人からの献血を事実上受け付けない事にしているが 余り知られていないのではないだろうか。

確かにこれらの国からは食肉の輸入はしていないかもしてないが、毎年毎年ヨーロッパ旅行をする人は増加している状況だ。果たして どれだけ狂牛病の危険性が認知されているか。遠いどこかの国でたまたま発生した珍しい病気の話ではないのだ、ということは繰り返し伝えられるべきだと考える。現段階で狂牛病に感染した食肉が市場に出回る確率は非常に低く、それを口にする確率は更にゼロに近いものだという説もある。しかし確率論で言うのなら 近い、ではなく ゼロでなくてはならない。予防・防疫はそういうものだろう。
(自身は献血不適者にばっちり当てはまっている。今後、発病する確率はゼロではないのだ。)

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 22 AUG 2001 WED  Standard

来るぞ来るぞと前置きの長かった台風が関東にいよいよ上陸、か。昨今の水不足に 今回ばかりは大雨大歓迎。しかし 通り過ぎて来た各地と同じように 来る前がひどくて 到達してしまったら 「台風はどこ?」 と思うくらいに穏やかで雨も風も止んでしまったのには 少々拍子抜け。今回の台風11号の特徴として東側だけが勢力が大きかった、というのがその訳なんだそうである。その証拠に TVの中では昨日近くを通過した甲子園球場上空の真っ青な空が映し出されている。高校野球の決勝戦を一日遅れでやっている。

自分が高校3年生の時、夏の西東京予選を毎日のように見に行った。すでに自分は最後の試合が終わってしまって部活動は引退、本来ならば夏季講習に通っているはずだったのに、毎朝家を出て乗る電車はゼミとは反対方向だった。
当時は 今よりももっと野球が好きだったこともあるし、沢山の中学までの同級生達の最後の試合を見ておきたかったこともある。(自分の高校には野球部はなかった。)
自分にとっては終わってしまった部活動をまだ続けていられる彼らが羨ましいと思っていた。だれかひとりでも 甲子園に行っていたら現地にまで行ってしまいそうだったが それは叶わなかった。同じように 高校3年の夏を終えたのを見届けて 夏休み後半はゼミに通い、その年の甲子園大会のTVは見なかった。

そのせいかどうかは知らないが 翌年の入試はことごとく落とされた。浪人生だというのに スコアがつけられる、と言って地域の軟式野球チームにも入れてもらい 早朝野球でバットを振り回しもした。甲子園のTVを見ると そんなことも懐かしく思い出される。きっと 日本中で自分のノスタルジーを確認する装置になっているのだろうな、と思う。

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 21 AUG 2001 TUE  Standard

TIME誌で この6月に沖縄で起きた米兵によるレイプ事件の背景には人種差別がある、といった趣旨の特集記事があるとの報。面倒だが早速ウェッブ上で確認。(→ TIME 

4ページにわたる記事だが のっけから論調が変だな、と思う。
取調べの為に収容されている被疑者についての状況説明から始まる。「重大な苦境にある」「英語の本や聖書、アメリカ式の食事はあるものの タバコやTVはなく、華氏100度 (37.8℃) にも達する暑さにもエア・コンディションはない」「友人や毎週電話をしていた母親と話す事も禁じられている」 被疑者の人権が侵害されているということか?アメリカの留置所(?)では 友達と電話で話したり出来るんだろうか。

「世界中のどこででも事件の審理に対する疑問点はただひとつ−彼はレイプしたのか しなかったのか−これに尽きるだろう。沖縄以外では。」 「国粋主義的な政治運動家・ぎゃぁぎゃぁと喧しいメディア・半世紀もの間に溜まりに溜まった地元の苦しみ そしてなによりもすべての根底にある人種差別主義によって すでに灰色の事件は憤怒の渦に巻き込まれているのだ(クロ、と決めつけられている)。」

この事件がはじめに報じられた頃の沖縄地元紙には 本国アメリカのメディアの関心も高く、新聞のほかTIMEなどの記者も警察の会見に出席していると出ていた。しかし 少なくともTIMEの記事の方向性は 繰り返し起こされる駐留米兵による事件のもたらす意味や重大性に向かっていない。
このあと続くのは、米兵 とりわけ黒人兵に群がる日本女性についての記述で、その論のまま この事件の経過詳細へとつながっていく。いわく、沖縄を訪ねる日本女性の最大の目的のひとつが 「リアル・アメリカン」 である、と。アメリカ好き=アメ女 黒人好き=黒女 の「爆心地」( ground zero )が沖縄なのである、と。

「 ground zero 」 は好い気がしない。無神経な表現ではないか。この記事は記名記事で 名前からすると日系記者である。にも関わらず、わざわざ原爆を想起させる語句を何故使うのだろう。

沖縄における犯罪件数(県発表による)は返還後の29年間で290、814件 うち米兵によるものが5、006件 つまり県人口に対して4%の比率を占める米軍関係者の犯罪件数は全体の1.7% という記述。さらに 日本全体で昨年のレイプ件数は2、260件 外国人による比率は不明だが 地域によるスタスティックスは 大阪267 東京260 そして沖縄29 という記述。

論理の誘導を感じる。日米地位協定によって立件できずに終わってしまった事件があることには触れない。またレイプ件数は数のマジックで沖縄が極端に少ないように見えるだけで、日本の人口比で見ると 発生件数は多いことになるはずだ。 事件後日本のメディアが報じた米兵による馬鹿げた事件として ピザ屋をBB弾で打った 他人のバイクをひっくり返した 車に放火した 商店に放火して5年の刑を受けただとかを紹介しているが、強盗やひき逃げ事件などの重大な人的被害を引き起こしていることには 一切触れていない。

果たして これらの記事を読んでの米国の印象はどうだろうか。記事の言う「 灰色 」 以上に NOT GUILTY の感想を持つのが一般的に思える。人種差別と戦いながら 日本の平和維持に貢献する自国の軍隊。日本の男は嫌いでアメリカに憧れ 黒人兵と見れば積極的に近づく女。占領時代か?
莫大な予算を出して電気代もガス代も家賃も養って それで痛い目にあわされて その上に相手の有力メディアには言いたい放題言われっぱなし。ナショナリストにもなりたくなるって。

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 20 AUG 2001 MON  Standard

えっ 今ごろ?! と驚いたニュース。
防衛庁長官が 今日、自衛隊機誤発射事件の謝罪に北海道を訪れたんだそうだ。さて 事故はいつ起きたか、というと6月25日なんである。今日は8月20日。なんで今まで来れなかったのか 不思議である。民間機で東京から1時間15分で飛んで来られる場所であるにも関わらず、だ。 たまたま 本当に偶然の賜物であったに過ぎないが、人的被害が出なかったことで 事件を軽く済ませようというちからが働いていないか。 電気系統のシステム異常だとか 改造の設計ミスだとか いや構造的な問題が飛行機自体にあったとか 実際に運用しているものの責任の追及をかわそうとしていはしないか。

戦闘機が何も操作をしないのに勝手に爆撃してしまった、などと言われては恐ろしくてしょうがない。この国に住むひとの大半が気づかぬうちに 戦闘機は日本中の上空を飛びまわっているのだ。(現にあの時の飛行機は那覇から訓練の為に北海道まで来ていたのだから)自分の国の、防衛目的で保持している戦闘機に撃たれて命を落とすなんて目にあうのは御免だ。
空自が保有する同型他機の点検を踏まえた事故調査委員会の最終報告のプレスリリースは未だ出ていないようだが 現有機に欠陥あり、と結論付けられたらまた新規お買い上げか。財布を気にせず出来る、「兆」単位のお買い物。めったにない。

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 19 AUG 2001 SUN  Standard

お盆の休暇も終わりということで 成田空港は終日混雑していたそうだ。世の中不景気不景気の大合唱でも この夏の海外旅行者数は過去最高をマークしたとかしないとか。まぁ へたに国内旅行をするよりも海外に行った方が安いことも理由のひとつだろうな。

それにしても成田は遠い。出発便が午前発だと都内からでも相当早起きして出掛けなければならないし 帰国便が平日の午後だと道路も電車も混雑していて 家に帰るまでにサイパンへ行く飛行時間の半分位もかかってしまう。交通費は3000円は必要だし 国内線の発着はほとんどないし 不便で仕方がない。首相などは 公務出張で特別機飛ばすのは羽田からだし 離陸の10分前に行けばいいんだし ぜーんぜん不便は感じないのだろう。
だけど ここへ来て羽田再国際化案が具体化しているらしいではないか。それは便利になって うれしいことだけど あれ?と思う。成田空港を作るのには 強硬に力を行使して周囲のひとびとを散々泣かせたんじゃなかったっけ。(詳しいことは知らないのだけれど) 国策ってそんなに度々進路を変えてもいいものなんだろうか。なんだかなー。

そういえば国主体ではないけれど 神戸空港とか 中部空港とか いまどうなっているんだろう。地方の新規開業空港の現実をちゃんとリサーチすれば 答えは自ずと導かれると思うんだけど、「ウチはあそこよりもっと利用客が見込める!絶対!」って言うんでしょうね。誰も責任は取らない 取れないのにね。気がつけばそんなのばっかし。瀬戸内に架けた橋とかね。あ、でも国民には海外旅行に行く余裕があるんだから まだ無駄使いしても大丈夫って思われちゃってるかも・・・?

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 18 AUG 2001 SAT  Standard

先日 中国人観光客がパリで盗難などの被害に会うのが増えている云々の記事があったが 今日は日本の外務省による邦人被害のまとめが発表された。
在外公館が取り扱った件数のまとめであるから、被害届を出さなかったものは当然数に入っていない。重要なものの入っていない財布を掏られた、海外旅行保険金が下りない程度のちょっとした小物を盗られたなどはほとんど届けない。短い滞在中であれば パスポートや大金の盗難でもなければ わざわざ大使館にまで出向くのは時間がもったいないし億劫だ。

被害が多いとされているパリなどは 大使館の取り扱う窓口の対応の悪さはかねてより知られており、パスポート盗難に遭ってしまい申請に行った際に 「こういうのばっかりっ」と言われた人もいた。もちろん 対応しなければならない人数が多すぎる、もっと気をつけて行動しろ と言いたい気持ちは十分に理解する。しかし パスポート申請窓口の受け付けは彼女(女性だった)の仕事である。相手が自分の落ち度によって盗難被害に遭ったとしても それを非難するのは筋違いというものだ。長く現地に暮らして いつしか日本人観光客を見下す態度が移っているひとも多くいるのだが 同族嫌悪は傍目にはもっと醜く映っていることには気がつかないのだろう。

パリやローマなどでは街を歩いていても 地下鉄に乗っていても 「気」というものが抜けきっている日本人のなんと多いことか。日本の空気をそのまま纏っている その弛緩した様子に、自分が狙うとしても日本人に限る、と思う。ガン黒金髪あひる歩きの厚底まで進出したのを目の当たりにした時は 思わず「国辱」の字が浮かんだものだ。(周囲の好奇と軽蔑の目は本人には全く感じられないものらしい。または注目を集めているとでも思っているんだろうか?)

海外旅行に限ったことではない。場の空気を読むこと、危険を察知すること、そこに相応しい服装や態度をすること こんな事は教えられるんじゃなくて 自分で身につけていくもの。こどもの国 日本では通用しない愚痴なのかなぁ。

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 17 AUG 2001 FRI  Standard

どれほど知らしめようとしても 聴く者がいなければ それは何もなかった事と同じになってしまうのか。どんなに美しい花でも 見る人がなければそれはそこにあるとは証明できない、という話と同じ事なのか。

そんな事を考えるのは 今日もまた自動車の中で置き去りにされた幼児が死亡したからだ。この夏は 事のほか熱中症についてのニュースや記事は多かった。各地で重篤な症状で命を落とす人が増え、その予防法や 危険を回避するための心構えも相当繰り返し報道されていたはずだ。そして ちょっとの間親が車を離れただけでも 置いて行かれた車の中で熱に焼かれて子供が死亡する事故が一体何件報道されているか。
この親は今までにそんな報道を一度も目に 耳にした事が無かったと言うのか。
あるいは昨今の児童虐待のニュースに怒りの感想など述べていたのではないか?
余りの馬鹿さ加減にあきれて物も言えないとはこの事だ。こんな親の元に生まれてきた子供は不幸としか言いようがない。 すぐそこにある事を知ろうとしないこと、無自覚であること、無知であることの罪を初めて知るのが 子供の命と引き換えであるとはなんと愚かであるか。そんなことをいくら思っても 失われたものは戻らない。
繰り返し繰り返し 同じ悲劇が訪れる。こんな事件が多すぎる。

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 16 AUG 2001 THU  Standard

このところの靖国・教科書問題に関連して 国際ニュースはほとんどの時間を近隣諸国にまつわるものに費やすこととなっている間にも 世界中で 「今」 起こっている戦争・紛争のなんと多いことか。パレスティナ・イスラエル間の和平は 数年前のレベルにまで後退してしまったかのようだし、米英連合でイラクへの空爆は散発的に繰り返されている。 旧ユーゴのマケドニアは 武装解除を目前にしながらも連日 反政府 (アルバニア系武装勢力、が正しいか?) 勢力の抵抗とも取れる殺人やテロのニュースも入ってくる。 チェチェンでは思い出したように時折 大規模な爆破工作が行われ アフガニスタンではタリバーンによって異教の像 (仏像) が徹底的に破壊されてしまった。

かつてクネイトラという地を訪れたことがある。第3次中東戦争でイスラエルが占領し、徹底的な破壊をしてシリアに返還した国境の村だ。イスラエルの蛮行を忘れさせないために 村は廃墟のまま保存され、UNの駐留地となっているゴラン高原の一部である。遠く、しかしはっきりと目で確認出来る丘の上に建てられた施設はイスラエルの軍事監視施設だと教えられた。 訪れたのは10年以上前なので 今とは状況も多少は違っているだろうが、破壊から15年ほど経過していた当時でも廃墟の階段の土を指で少し掘れば すぐに銃弾が見つかった。病院だった建物も 学校だった建物も 「破壊の限りを尽くす」 とはこういうことを指すのだろうと実感したほど 外壁は穴だらけ、室内の壁さえも蜂の巣状態だった。

この地の歴史の複雑さや宗教の違いによる対立の激しさは 現代日本に生まれ育った自分には理解の範疇を超えてしまう。知識として知っていることと 目の前にあった現実とは 同じものを表わしているとは思えないほどに違っていた。いつかは和平の日が来るのかも知れない。しかし この記憶を総て箱に入れて 鍵を架けることなど果たして出来るのだろうか、というのが偽ざる感想だった。
諍いを始めるのも人間なら 平和の道を探るのも人間。叡智をもってすれば必ず道は拓ける、と思いたいのはもちろんなのだが 記憶までをも浄化することなどは出来ない。この世界から争いの火種が消える日など永遠に来ないのだ、と思った。今も そう思っている。

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 15 AUG 2001 WED  Standard

来年4月に採用する国家公務員I種の合格発表があった。
いわゆるキャリア組候補生と言う訳だ。全合格者で女性の占める割合が過去最高となったそうなんだが それがたったの15.2%。 中央省庁とは稀に見る男社会なのだな。
では ニュースでは触れられなかった 全応募者に対する女性の割合は? と思って人事院のプレスリリースを見たが記述がない。 一説に 筆記試験の結果だけを採用の基準にした場合、上位得点者は女性が占めてしまい 男性受験者を掬い上げるのが面接試験なのだという。 真偽のほどは判らないがいかにもありそうな話だ。

人事院のサイト<http://www.jinji.go.jp/top.htm>はナンだか妙だ。

「国家公務員の相談・苦情」 最近の不祥事続きで結構きびしーい意見がきてるんだろうなぁ などと思いながら開けてみたら 国民からのご意見受付ではなく 国家公務員自身が仕事上の悩みを相談したり 仕事場でのトラブル仲介 (残業が多くていやだとか セクハラに遭っているとか) を頼んだりする窓口であった。

「公正な人材活用システム」 国家公務員の能力を活用してみませんか、と来た。民間企業で欲しい人材を申し込むと 仲介斡旋してくれるんだそうだ。 まぁ その手続きの煩雑なこと。 「申し込みしないで」 光線が出ているようだ。どれほどの実績があるのか興味が湧いた。

「KOHちゃんの人材情報局」 競争試験を経ない国家公務員の採用について。すでに十分な専門知識を持った民間人を国家公務員に登用します、という登録制の人材派遣業のような制度らしい。例えば 「募集元;内閣官房  必要とする専門知識・経験;衛星地上設備、地球観測衛星等に関するシステム設計、システム運用等に関する専門的知識及び右に係る経験を有する者  募集人員;50名程度」「 募集元;独立行政法人国立環境研究所  必要とする専門知識・経験;化学物質のデータベースの作成と公開及び化学物質の環境挙動のモデリングに関する研究ポテンシャルを有することほか  募集人員;1人」・・・ これも知りたい。一体 紹介や推薦以外の一般からどれくらい応募があって採用実績がどれほどなのか?

ヘンなもの見たさの好奇心をくすぐるなぁ。省庁関係サイトは突っ込み入れたくなるものがテンコ盛り。って これ作るのも税金なんだけど。

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 14 AUG 2001 TUE  Standard

日本国中で人々が移動をしている。
自宅の敷地は主要国道に面しているが 人がいなくなっているはずの東京でも相変わらず車の音が深夜も絶えることはないのは何故だ? もう少し昔、自分が子供の頃は 夏のお盆になると片側2車線の道路で遊ぶことさえ出来そうなくらいに 通る車はまばらになったものだ。正月とお盆は東京に留まるに限る、と親もよく言っていたのだが。

このあたりでは お盆はすでに終わっているので自宅にいなくてはならないこともなく、大学生の頃はクラブ活動が休みになる旧盆の時期には旅行もした。3・4年生ではゼミ合宿があった。京都か奈良の寺巡りを夏冬交互にするので 京都の夏・冬、奈良の夏・冬 と計4回行くことになる。本来はドイツ美術についての研究をしていたのだが まさかゼミ合宿で現地にまで出掛ける訳にもいかないので 代替として仏像を見に行くことになっていたのだ。

東京の中・高校生ならば ほとんどが修学旅行で訪れているはずの地である。しかし これもまた世の中のほとんどの修学旅行生がそうであるように 遊び半分 (いや 半分ではなく90%以上だ) の当時のアタマには寺の名前ぐらいしか残らなかったのは仕方があるまい。
大学生になってからはじめて能動的に見た寺や仏には 今ではすっかり遠い過去のことであるのに ところどころ鮮明でさえある像をこの脳内に残すちからがあったようだ。
あのお寺さんのあの像は こんな印を結んでいる、などという日常では全く関係するものの無い知識と共に 日差しの照りつける境内の道や 深々と静まりかえった冬の庭を歩いたことは スライド写真のように思い浮かべることさえ出来る。

春日大社で万灯会が始まった、という季節のニュースを聞くと 大学3年の夏に結び付くのはその所為だ。夏の盛りに 萩のわさわさと繁った新薬師寺の前庭と 対照的に暗いひんやりした堂内に立ち並ぶ十二神将像の姿を思い出す。
昼ひなかに歩き回ったせいで断続的な頭痛が襲い、その夜の万灯会に出掛けなかった。元気が残っていた者数名と教授が出向き、その夜話してくれた光景は 記憶の中では自分の目で見てきたものの様に残っている。(或いはニュース映像で見たものなのかも知れない。)

それきり 夏の奈良を訪れてはいない。
あの時 無理をしてでも万灯会を見に行かなかったのは この先にいくらでもチャンスはあると思っていたからだ。 自分には限りなく自由になる時間があるように思えていた頃だからだ。 いつか見られたとしても それはその時の自分、大学3年生の夏休みの自分が見たはずのものとは違っているのだ と気付くのは時間も空間も遠く離れてからだけなのかもしれない。

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 13 AUG 2001 MON  Standard

日本国首相が靖国神社参拝を挙行した今日の日の40年前、旧東独にベルリンの壁が着工されたのだという。

今 再びドイツの首都となったベルリンに はじめて訪れたのは1983年の冬だ。当然当時は東西に分断された状態、東側に入るために朝 西にあるユースホステルを出て 地下鉄に乗り チェックポイント・チャーリーで日帰りヴィザを取得して入境した。その前日 西ベルリンに到着してすぐに見に行った西側の壁には さまざまな言葉がさまざまな色でペイントされていたのとは対照的に 壁に沿って一定の幅で立ち入り禁止地帯が設けられ 機関銃を肩から下げた兵士が そこここに辺りに警戒の目を光らせ そして壁は本来の灰色だった。

観光の中心となるブランデンブルク門から離れると 立ち入り禁止地帯には廃墟となったまま放置されている集合住宅も含まれているのが見えた。そういう場所にも兵士は配置されている。そして 夜陰に紛れて壁を越えようとした人たちは見つかれば射殺されるのだ。この旅行の際に ヨーロッパのある空港で警備兵が大きな銃を装備しているのを初めて目の当たりにして 日本とは大違いだ、と感じたのであったが 今そこにいる兵士とは全く違っていたことが解る。
明確な目的、ひとを殺すための道具としての武器。
個人の感情や事情は介在しない、命令があれば他者の生命を絶つ事にためらいを覚えない 「兵士」 という存在。
TVドラマのコンバットや毎年8月に繰り返し放送される戦争関連の番組で 見慣れていた筈の 「兵隊さん」 ではなかった。社会科の教科書の 大抵は3学期の末、時間が押して端折られてしまう現代史の中に出てくる第二次世界大戦は まだここにある、と思った。

帝都ベルリンの中心を貫いていた真っ直ぐな大通りに ブランデンブルク門は建っている。今、東西に分断する壁が存在しても 道路は以前と同じに真っ直ぐなままであるのが 単なる訪問者の自分にさえ感傷を呼び起こす。 東のこちら側は ウンター・デン・リンデン通り。「舞姫」 の断片的な知識でベルリンは意外と耳に馴染みのある地名が多い。だが そのどれもが煤けて見え、人々にもその埃が降り積もっているように感じた。

西側からは壁を 「見る」 のではなく 触れることだってもちろん可能だ。ところどころには東側を見るための小さな展望所さえも設けられている。そして 壁際の墓標。越境を試みて倒れた東ベルリン市民の、遺体なき魂だけを祀った いくつもの十字架には近年の年月日が彫り刻まれたものさえあるのだ。いま ここにある現実に 「戦争」 というものを多少なりとも感じたのだった。

壁が打ち壊されて 東西分断の歴史が事実上終わったのが1989年。その後訪れたベルリンでは あの時入ったチェックポイント・チャーリーの建物も 永遠に壊れなさそうに見えた厚い壁も消え、壁際にあった墓標群は 曖昧になった記憶の為もあり、どこにあったのかも判らなくなってしまった。
最後にベルリンへ行ってから もう5年近く経つ。
次の機会には今日 壁建設40年の記念式典でシュレーダー首相が献花を行ったという 「壁モニュメント」 を探して行ってみよう。

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 12 AUG 2001 SUN  Standard

御巣鷹山の日航機事故から16年の日。
事故当日は発生が夕方ということもあってか 墜落した機体の位置すらなかなか特定できなかったので 憶えている映像や記事は翌日以降のものになる。航空機事故史上最悪の惨事でさえも 16年経ちリアルタイムで見ていたはずの経過を いつしか忘れてしまったことが多い。自分がその時に何をしていたのか どういう年だったのかを辿ってみる。

豊田商事事件 ロス疑惑 阪神優勝 NTT・JT ゴルバチョフ書記長 金妻 聖輝の結婚 つくば博 夕張炭坑爆発事故 藤ノ木古墳 おニャン子クラブ ニュースステーション 夏目雅子 中曽根首相の靖国参拝 We are the world 新人類

JL123便 ボーイング747 乗員乗客520人 生存者4名・・・何故だか頭に残っている数字。 のちに発見された事故犠牲者のメモ 揺れる機体の中 震える字体で書き残された家族への言葉 「今までは幸せな人生だったと感謝している」

お盆休みで自宅にいたのだった。
誰にも言わずに 半年後の離職・留学に備えて試験を受けていた。
試験会場への道さえも思い浮かんできた。
どの瞬間も今の自分を形作る一つ一つの要素であることには変わりがないが 「転機」への交差点を渡ったのは この夏だ。

1985年はそういう年だった。
16年を経てもなお完全に解明されたとはとても言えない事故の現場では 今でも時々なにかの「カケラ」が見つかることがあるという。

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 11 AUG 2001 SAT  Plot ?

先ごろ新聞記事で「?なんじゃ こりゃ?」と思った記事があった。
中国政府が国内向けに 「フランスのパリでは中国人を狙ったドロボー・スリの被害が多発していて危険なので 渡航を見合わせるように」 という声明 (か 勧告・公告かどうかは不明) を出した、というもの。
日本では外務省が発表する「海外危険情報」があるが、渡航を見合わせろというのは 「危険度2 観光旅行延期勧告」 に相当するものだろう。対象となる国や地域で紛争・テロ・組織的な略奪行為などが起こった場合、一般人は観光目的では出来るだけ行かないように (安全になるまで旅行は延期した方が良いよ) と呼びかけるもので これには法的な拘束力はない。ただし 普通ドロボー・スリ被害があっても 「危険度1 注意喚起」 程度がいい所で 渡航を見合わせろとまではいくことはないのではないだろうか。
日本のこういった制度や犯罪被害に対する感覚的なものがそのまま中国に当てはまるわけではないことは重々承知の上だが それにしてもパリが一般観光客が危険を感じるほど ドロボーやスリが多いとは考え難いのだ。(住んでいたこともあるし 今も毎年必ず訪れている) 一体どんな凶悪な事件があったのだろうと その記事を読んだときは思っていた。

そして今日 これに対するフランス政府当局の 「分析」 が出た。
仰天、というほかない。
2008年オリンピック候補地としてライバル関係だったパリ市を追い落とし 開催地決定が北京に有利に運ぶよう仕組まれた風評であったというのだ。観光都市のメンツをかけたパリ当局の調査の結果、パリでの中国人観光客からのドロボー・スリ等の被害届は皆無に近かったそうだ。 つまりパリの治安の悪さを強調して オリンピック開催地決定投票を北京に誘導しようとする中国政府の思惑があった、と結論付けている。

確かに 日本人観光客は狙われている。顔の表情・街中での態度に緊張感はなし、ずるずるべたべた歩いていればそれはほぼ間違いなく日本人観光客なのだから 見分け方は簡単だ。荷物に注意を払うどころか 大金の入った財布を人前で開けたりするもんだから 盗ってもいいよ♪ と言われてる気さえするかもしれない。だから 日本が 「パリは結構危険」 というのは理解する (もし そんなことを国の声明として言ったとしたらえらい事になる) のだが。
いや、そもそも“一般”中国人観光客っているんだろうか? 中国って民間人の自由渡航、解禁してたんだったっけ?

そんな感想くらいしか思わなかった記事の裏にこんな国家的陰謀 (!) が隠されていたとは。
侮り難し 国際社会。しかし そこまでするか 北京・・・  (却って怖いぞ)

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 10 AUG 2001 FRI  a teacher in charge / charge -n. [担任;罪]

最早 「またか」 としか思わない 教師による買春容疑での逮捕。
今日のは35歳男性小学校教師 (一年生担任) による 女子中学生相手の買春だという。 平日の勤務時間中テレクラに電話してすぐに落ち合い、14歳を相手に二万円で買春したというもの。自分の携帯番号まで教えていたというのだから 自覚がないというか 単なる馬鹿というか・・・
この件が発覚した経緯がまさに芋づる式。中学生は2年先輩にあたる16歳無職の女に 援交を親にばらす・金を出さなければやくざを差し向けて神社に埋めてやる、と脅された。金を稼ごうと思った中学生がテレクラに電話。 すぐに引っかかってきた教師から二万円を得て それを先輩に渡すが 後に再び脅され 金の工面に困って親に相談、親が先輩の恐喝を警察に相談、そこから教師の買春犯罪と先輩の恐喝犯罪が一挙にばれた というストーリー。
教師の言うことには 「19歳だと思ってた」・・・ あれ?19歳なら売買春はオッケー、って考えてるの?(これじゃ余罪も相当追及されるだろうな。)

おいおいって感じだよ。登場人物の誰も彼もが狂ってる。 最近 教職者の性犯罪がやたらと多いような気がする。 (あと 警察官の窃盗とかも) 職業で人を分類したり そこに属する総てのひとの人格をひとつにまとめるのは乱暴だが 一般的な認識としては 「先生は常識知らず」 だ。もしくは 「お客さんとしてサイテーなのは先生と呼ばれる人 (教師・医師・議員)」 とも。わがままでクレーマーの代表的な職業がセンセイなのだ。 (実感!) 特に小学校の先生は 日常の相手が子供、接する大人は同僚の先生達と子供の親だけ、年数が経てばその親達も自分よりも年下になり、学校行事に追われて世間との接点はどんどんずれていき 学校内での常識しか知らなくなってしまう恐れがある。 そんな先生ばかりではないことは百も承知。だが しかし自分の出会った先生たちを大人になった今 思い浮かべて、「尊敬に値する」 と思える先生は残念ながらほんのわずかでしかない。そしてこれは決して特異な経験ではないのだ。

買春するような馬鹿教師に今まで教えられていた子供は不幸だ。一年生は夏休みが終わって学校に行ったら担任が変わっているが、その理由までは知らされないだろう。この教師に10年のキャリアがあったとして 教え子には中学生もいるはずだ。自分をかつて教えた教師が性犯罪で逮捕される。それも自分と同じ中学生に対する 金品の介在する品性劣悪な性犯罪。そのおぞましさを思うと犯した罪は見た目以上に重い。

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 09 AUG 2001 THU  Standard

一般論として冷蔵庫が贅沢品だなんて思う日本国民はどれだけいるだろう。
先ごろ 生活保護受給者の女性2人が大阪市の福祉事務所に購入を認められなかったとして 府に裁定を求めているというニュースがあったのは記憶していた。その時には事の背景や事情は詳しく見ていなかったのだが 一般的な感覚として普通の生活を送るのに冷蔵庫は必要だろうよ と思っていた。今日 訴えに対しての府知事の出した結論は 「冷蔵庫は最低限の生活に必要不可欠」 つまり購入を認めるものだった。生活者の意見として真っ当だと思う。

野宿をしていた一人の女性と彼女の友人の女性が生活保護を受け、アパートを借りて共同生活を始めた。生活保護法では家具・什器類を持たない受給者には毎月の保護費のほかに 購入費用が上限を定めて支給される制度があるという。これを利用して冷蔵庫を買いたいと大阪市に申請したところ、却下されたものだったそうだ。
市では毎月の保護費を貯めてそこから冷蔵庫は買うべし、なぜなら冷蔵庫は生活において必要最低限の設備ではないから。購入までの間はコンビ二などでこまめに買い物をすれば足りることではないか という。 つまり鍋や茶碗は必要なものであるが 冷蔵庫は最低レベルの生活にはもったいないものだ と考えているのだろう。 そのこころには 「路上で生活していた事を思えば それくらい無くても我慢できるだろ」 あるいは 「生活保護受給者には贅沢」 という感情が見えるような気がする。 または 市側の人たちがいつもコンビニ弁当などを食べていて 「安くてうまい」 などと思っていたのかもしれない。実際は遣り繰り工夫して自炊すれば おとな一人分の一食の食料費は50円ほどでもなんとかなるというのに。

個別対応するには限度があると反論するかもしれない。だが 福祉にこそ相手に合った きめ細やかな対応をすべきではないだろうか。湯水のように税金を投入すべしというのではない。生活に最低限必要なものは 個人個人で違うのではないか? 子供の多い家庭であれば洗濯機は必要だろうし この酷暑に体力の弱った生活保護受給高齢者にクーラーがあったならと言われて それを贅沢だとはねつけるような社会ではあって欲しくないと思う。

自分自身はかつて海外での寮生活のころ 冷蔵庫のない暮らしをしていたことがある。冷涼な気候に助けられてはいたが それでも夏の半年間はかなり大変な思いをしたものだ。バター・チーズ・牛乳は買うことが出来ない。どれもその土地では安価で料理には欠かせないものであるが 今の日本のコンビニのように小分けの一人分用など存在しないから。「冷蔵庫があったらなー」とどれだけ思ったかしれない。

福祉事務所のひとは 冷蔵庫なしの生活をしたことがあるだろうか?(戦前はなくともやっていたと言われても 生活が違いすぎて比較にならないのは当然のこと)

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 08 AUG 2001 WED  Bravado

まだ片付かない靖国問題。いい加減 したり顔の「熟慮」も聞き飽きた。という所へやっぱり出て来た 「首相の公式参拝を求める会(?)」

はっきり言わせてもらえば あなたたちはただの国会議員。どちら様が8月15日に議員として公式参拝しようと誰にも全然気にされません。でも一国の首長は違うでしょ? 鎖国してるのじゃあるまいし 自分ちの主義主張だけを声張り上げてれば通る事ばかりではない、って国際社会の常識ではないですか。
勇ましくも 「外国の意見に左右されるな」 とか 「屈するな」 とか言ってるようですが それを対象国の人たちを前にしても言えるんですね? 平和を願っての行動であるとの首相談話を事後に発すれば近隣諸国の人民はみな 「そうであったか!」 とこころから納得してくれると 本気で考えているんですね?
「今 中止するのなら総裁選をやり直さなければならない」ってやればいいじゃないですか。どうぞご自由にやってください。一政党の中で権力闘争しようが何しようが一向に構いません。その前に 現政権の支持率の状況であえて立つ人がいるかどうか考えたら結果は自明の理、脅しにも何にもなってません。
「現在の日本の繁栄の礎となったかたがたに 敬意を表」 すのは結構ですが この国をぶっ壊したのもその中のひとたち。合祀という形をとっている以上一部にだけ敬意を表さないことなんて出来ない筈。
「伝統行事の正月を 外国から言われたからって1月3日に変えられますか? そういうことですよ。」 とのたまった発起人の議員さん。う〜ん 馬鹿丸出しが全国放送されちゃいましたね。一体いつから靖国神社参拝が日本の伝統行事になってたんでしょ。 そもそも正月は 「伝統行事」 じゃなくて 「こよみ」 なんじゃ・・・? (正月に初詣に行くことを指しているのか? でも初詣は1月3日でも全然構わないはずだし?首相の伊勢神宮参拝のことか?)

言ってきたのが アメリカだったらすぐにでも聞き入れちゃうんじゃないの? どうもみなさん 「脱亜入欧」 の精神をお持ちのように見えますもん。(中国には屈するなといいながら アメリカの京都議定書離脱には強く出られないあたり)

あとから見たら 「戦前」 時代だった、なんて勘弁だよね。
ところで 公式だろうが非公式だろうが 日にちをずらそうが参拝するんだったら 参拝形式が神式であるなしに関わらず 費用は全額個人負担でないと 一納税者としては承服しかねます。当然 費用とは玉串料だけでなく 警備費 人件費 車代 ガソリン代 あと首相としてもらってるお給料の時給割分を指します。私が払った税金 使わないでちょうだい。

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 07 AUG 2001 TUE  Standard

フランスのTV製造工場に勤務していた男性技師が 服装が元で解雇されたのは不当だとして訴えたそうだ。 5月のある暑い日に 「バミューダパンツ」 で出勤したところ 午後になって会社側から注意を受けたが、その工場で働く多くの女性は同様の服装であることから 男性技師は恭順の意を表さなかった (つまり反論したのだな)。そして解雇通知を受けた、というのが事の経緯だという。 会社側は 「女性に認めているものを総て男性にも認めろ、と言うのなら スカートの着用も産休も認めることになる」 と反論しているそうだ。(正鵠を得た反論とは言い難いが)

日本では女性のパンツを認めていない職場が多くある。キュロットスカートもだめ、なんて所さえも。仕事の場で何の為にスカート着用を強要するのか その意図するところは全く解らない。

公立学校の標準服もそう。「制服」 ではなく 「標準服」 であるのに実際にはほかの選択肢はない。そしてどんなに寒くとも標準服にはパンツは含まれないことがほとんどだ。おかげで寒冷地の中学生などはスカートの下にジャージの裾を折ってはいている、という (普通に見たらとんでもない) 服装をしているではないか。
もし 足に生まれつきの大きなあざがあったり 事故で負った消えない傷があったとして 本人にはそれが死ぬほど嫌いなコンプレックスであったとしたら。
「学生らしい服装」「学生らしい頭髪」 って何なんだ?と思いながらも 当の本人達には言葉が足りなくて大人にはうまく伝えられない。( 「学生」 は「男性」「女性」 にも換えられる)
「いじめの対象になる」 「学校内の規律を乱す」 とか言いながら標準服を着ない生徒を隔離したりする学校もあるそうだ。 おかしいのはどっちだ?

冒頭の解雇問題は 服装が原因ではないだろうな。会社はただ単にその男性技師を辞めさせたかった、そのきっかけを服装にこじつけただけなんではないだろうか。
「男性にもスカート・産休」、いいんじゃない? (大体 男性の産休、ないのか この会社は)

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 06 AUG 2001 MON  Polite ≠ Politic ≠ Politician

北海道ウタリ協会理事会で理事長らの解任動議が可決された。 さきにあった政治家2人による差別的発言に対しての対応が不充分であったというのが その理由である。 既に協会として一応の抗議を行ったところ、「遺憾である」 「差別の意識はなかった」 との返答がそれぞれあり、それをもって今回の問題を終結させようとした理事らの及び腰の態度に 協会一般構成員から抗議が上がり、幹部からの突き上げがあったものらしい。 団体の中の人事については 構成員が決めることであるからこれについては なんの意見も持たない。
問題は 発言した二人の政治家の意識についてである。

「政治家」 として自分の発言がどういう影響があるか 波風を立たせるものであるかないか 自分にとっての益不益をしゃべりながら考えられない、判断出来ない 言語感覚と頭の中身がプアな人たちなんだろう。この点において 「政治家としての資質」 に難ありである。 遺憾、という言葉を使うのもセンスが無い証拠みたいなもんだ。差別意識は無かった、と言ったほうは あの発言内容でどの面下げてそう言うか、 と思わせるその厚顔さにおいていかにも 「政治家」 であるとも言えるか。

では 「政治家」 という役職を取り除いた 「人」 としてはどうか。自分の支持者らではあるが、不特定多数を前にしてああいった発言が出来る人。
鈍感。
人として鈍感さは時に罪である。他の痛みを知らぬのは大人としての社会性を身につけていないのと同義だ。 政治家以前に 大人の人間としての質が低い人達だった、ということだ。

自民党、田中外相の応援演説問題の党内処分と一緒に 彼らの発言も論議したら?  あぁ 過去にもいっぱいあったのを不問にしてきたのだから 今回だけ問題にしたら差別になるのか。

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 05 AUG 2001 SUN  Close to shore of Myth

面白い、といっては不謹慎かもしれないけれど・・・

鳥取県の白兎 (はくと) 海岸付近でサメが発見され 海水浴客を非難させた、という記事を見た。 なんでも 周辺を探索したところ20匹ほども確認されたそうだ。

白兎海岸の名は日本神話に由来するものだ。そう、「因幡のしろうさぎ」 である。「ワニ」 をだましたおかげで毛皮を剥がれてしまったしろうさぎが 大黒様に助けてもらった場所なんである。で、いくら古代の話でも 日本海に「ワニ」はなかろうということでこの 「ワニ」 は多分 「サメ」 のことを指しているのだろうという話を聞いた。その時には いや〜サメもないんじゃないか?と思っていたのだがいるんだなぁ サメ。日本海にも。知りませんでした。(北側の海にはいないものと思い込んでた。でも 北限はどこらへんなんだろう?)

当分遊泳禁止の措置を取るそうだから観光関係のかたにはお気の毒。 夏本番で 水の事故のニュースが多くなったが 相手がサメではどうすることも出来ずに静観するしかないもんな。

サメのおかげで久し振りに思い出したなぁ。東伯のふろしきまんじゅうとか 大山の姿とか。
アタマの中が鳥取連想ゲーム状態。

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 04 AUG 2001 SAT  Under the protection

昨日スーパーマーケットの駐車場の車内から連れ去られた生後5ヶ月 (だったか) の乳児は無事 別の場所で発見された、というニュースがあった。 犯人はまだ全く判っていないが 一応子供が無事に戻ったのでよかったよかった、という事になっているようだ。 あとは 犯人さえ逮捕出来れば 一件落着なのだろう。

アメリカの一部の州では 車内に子供を置き去りにした親が逮捕される事態だ。親としての監督責任を放棄しているという理由だと記憶している。 その是非を論じているのではない。ただ 方向は間違っていないように思う。
「5分で戻るから」「クーラーをかけてあるから」 というのは子供を無人の車内に閉じ込めて置いていく事の理由として正当だとは思わない。 何らかの理由で5分で戻れないことは多いだろうし、何らかの理由でクーラーが停止してしまい 結果車内が灼熱地獄になることだって考えられる。 そこまで考えていたら 親は自分の事は何も出来なくなる、という言い分には耳を傾ける気はない。 子供、特に乳幼児には 親の責任はなによりも重いということを判っていて子供を持ったのではないのか。 子供を抱いて行くと手がふさがって買い物が出来ないのなら 背負えば良い。 または車にベビーカーを積んでいればいいではないか。
(炎天下の戸外でベビーカーに乗せっぱなしの待遇は虐待でもあるが またそれは別の話)

何にせよ 一番悪いのは連れ去ったほうなんだが 犯人を逮捕すればそれで終わる話ではない ということを当事者である一般の親達が感じててくれればいいんだが。

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 03 AUG 2001 FRI  Back to Italy

多分紙面ではベタ記事にしかならないだろうけど・・・

イタリア王制時代の最後の王家は今まで国外追放されてて 男子子孫の入国も禁止されてたのが 解除されそうなんだという。 追放の理由は ムッソリーニなどの台頭を抑制できなかったこと、つまり彼らの帰国は共和制維持への脅威となりかねない というものらしい。 イタリアにそんな憲法の規定があるとは今日の今日まで全然知らなかった。 ローマの街なかでひときわ目立つ白亜の建物に名を残す、イタリア統一の王様 ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の系統なんだっていうんだから なおさら驚きだ。

現在の国の礎を築いた王家の末裔 (それも現役) を追放するということ、50年間祖国の土も踏ませなかったこと、今回のような見直しがなければ 本人だけでなくその男子子孫には未来永劫にわたってこの措置が続けられること。

苛烈だなと思う。
それだけ過酷な時代を過ごして来た事の証明ともいえるだろう。 または民族性の違いに収斂させることも出来よう。 一般的日本人の心情では理解の範疇を越えるかもしれない。 かように ひとびとの心の有り様はさまざまだ。同じ言葉 同じ国の中でさえも 感じ方には違いはある。王家の帰還を喜ぶ人ばかりではないだろう。
そう、 「靖国神社」 を大切に思う人もいれば 疎ましく思う人もいるように。

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 02 AUG 2001 THU  Ministry of Foreign Affairs

外務省人事が一応の落着らしい。
なんか 省庁の人事問題を衆人環視の状況下であーだこーだとやりとりされるのってかなり特異なことなんじゃないか?その裏とか 裏の裏とかの意図を読んでの各メディアの見方を比較対照するのは結構興味深かったなぁ。
でも これが一応のけじめ、とか言ってんのにはひっかかるぞ。
よく政治の世界で言う 「禊ぎ」 ってやつ? なぁに それ。自己満足だけじゃん。ってみんな思ってるのにだれもそれ以上は突っ込まないっていう。
なんたって 税金横領なんだからね。それも 根深ーい組織ぐるみの 性質の悪い。
在外大使館関連なんて 今頃あせってるとこ、多いよ きっと。大体 国会議員が来るときの当該国大使館の 下にも置かせない接待、あれだって資金は税金でしょ。それも公務で来てるならまだしも プライベートの旅行でだって供応受けてるんだから これも公金流用じゃないの?
デンバーの例みたいに 現地採用の人とかがみんなしゃべっちゃったりしたらたーいへんでしょうね。 ああいうの 全部止めにしたらすっごく財政助かると思うんだけど。
あと 外務省の赴任のお手当てのうちで 「危険手当」 みたいなの、今でもあるのかなぁ。今時の日本の方がよっぽど危険だっていう国に行くときでもオートマティカリーに支払われちゃうの。物価の低い国でも日本の高級マンション借りられちゃうくらい高い家賃補助とか 見直すべき項目が山盛りだな。
お水が無いときは 節水するもんでしょ。
上から取水制限されないと出来ないのかしらねぇ。

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 01 AUG 2001 WED  Anti Disney

TDLの隣にディズニーシーが出来たんだそうだ。9月4日にオープンする前に 今日が報道関係への初公開。パスポートチケットが5500円、これって高いのかな 安いのかな。個人的には全然興味がないが TDL好きな人にはもうわくわくもんなんだろう。USJもまた強敵現る、だな。

興味がないというよりも 実は積極的に嫌い。そう言うと今までのリアクションはほとんどの場合 「え〜 なんで〜(変わってる〜)」だった。自分から見れば 皆がみな揃いもそろって好きだという方が不思議でならない。
みんな そんなに好き? なにが そんなに好き?

まずディズニー・アニメの動きが嫌い。特徴的な流れるような キャラクターのあの動き。
それから TDLとかの「気恥ずかしさ」が嫌い。アトラクションもパレードも 熱中できない。園内でミッキーとかに遭遇するのも困りもの。

へそ曲がりのそしりは免れまい。でも 食わず嫌いじゃないからね。付け加えると USJもダメ。(こちらは行ってないけど) だって(ほとんどの)アメリカ映画が嫌いなんだも〜ん!

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>> Tagebuch 【BACK NUMBER AUGUST 2001】  >> END
掲載  01.AUG.〜31.AUG.2001

 

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